因果と義理と

生殖医療、「実の親」知る権利を認める方向で合意

 不妊治療のルールづくりを進めている厚生労働省の生殖補助医療部会(部会長・矢崎義雄国立国際医療センター総長)は3日、第三者から精子や卵子、受精卵の提供を受け、人工授精や体外受精で生まれた子どもに対し、名前、住所など提供者を特定できる情報を開示することを認める方向で合意した。開示方法については、子どもが求めれば全面開示する▽提供者が同意した場合に限り開示する−−の2案に絞られた。議論を詰め、今秋までに最終的な結論を出す。

 現在、体外受精も含めて生殖医療で生まれた子どもに出自を知る権利を認めている国はない。

 旧厚生省が00年12月にまとめた報告書では、生殖補助医療で生まれた子どもに開示するのは、提供者の身長や体重など「個人を特定できない情報」だけで、しかも提供者が開示を承認したものに限る、としていた。

 この日の部会では、「生まれてくる子の福祉を優先する」という原則に従い、どの範囲まで情報を開示すべきかをあらためて議論。委員の間では「身長や体重などのプロフィルだけでは不十分。個人が特定できる情報でなければ出自を知る権利とは言えない」との意見が大勢を占めた。

 そのうえで、「子どもには生物学的親を知る権利がある」「個人情報を開示したせいで提供者が減ってもやむを得ない」と、個人を特定できる情報を全面的に開示すべきだとの意見が出された。これに対し、「提供する側にもプライバシーはあり、提供者が納得した範囲にとどめるべきだ」といった反対意見も出された。

 結局、提供者を特定できる情報を開示する方向で一致。今後、提供者の同意が必要かどうか▽公的機関がどのように情報を管理し、開示するか−−などについて協議する。

…略…

=====以上、2002/04/03のAsahi.comより

妊娠は異常であるが、病気とは言えない気がするけれど、病院で処理されることが多い。子を望む人たちにとっては、不妊は病気なのかもしれない。だから治療が必要になる。

生物学的な親がなんだか知らないけれど、んん、気になるのかもしれないなぁ。だけど、知りたいと思ったりするのは、たぶん本能というより、頭の思考のせいだという気がする。

医療の進歩は、なんだか生まれたり、なんだか死ねなかったりする。それを無下に悪いことというつもりはないが、手放しにいいことともいうつもりもない。