日本の宗教、自然、身体観

なにも願わない手を合わせる

なにも願わない手を合わせる

この本を買ったのはいつだろう。ずいぶん前だ。なにせ、最近、部屋の片付けに少し手をつけて、ゴミの山の下の地層に埋まっていたのを発掘したのだ。未読なのに、周囲が埃焼けしている。
著者は写真家の人らしいので、目の人であり、行動の人である。そこで感じたことが書き付けられている。
どこか、その、日本的な、宗教観、死生観、自然観が、にじんでるって感じがして、読んでて時折、グッときた。私自身は、人の臨終に立ち会った経験はなく、人の死と言っても、幼い頃に、母方の祖父の死に顔を見て、焼き場のバーナーで吹っ飛んで、どれがどこの骨か分からない骨をひらった記憶しかないのだけれど、なんかこう、じんわりとグッと来た。