ご隠居

歴史と遊ぶ隠居暮らしを本にした元芸人の上岡龍太郎さん

 「米国でプロゴルファー修業を」と引退宣言して2年。タレント仲間の復帰の呼びかけも、マスコミの取材も、政治団体からの誘いも「隠居の身ですから」と断ってきた。それが、近ごろ弟子とまとめた「龍太郎歴史巷談(こうだん)」(光文社)のことならと、少しふっくらした笑顔で現れた。

 昨年6月に帰国し、忠臣蔵の世界に近づきたいと東京・高輪に居を構えた。歴史探訪に、たっぷりある時間を費やしている。

 「巷談」は、卑弥呼から大石内蔵助まで縦横に渉猟。襦袢(じゅばん)、てんぷらなど日本語化したポルトガル語を調べるうちに「カッパは弾圧された宣教師だ」と思うに至った。おなじみの博識ぶりと、少々強引なストーリー展開は健在だ。

 テレビ界復帰は? 「せわしない感じが怖い。出てるやつらはすごいなと思うが、知性のなさにはあきれ返る。もう出たくない」。かつてレギュラーだった番組を振り返り、「上岡龍太郎を演じながら、コメントを絞り出してたんでしょうなあ」。

 話すことが嫌いになったわけではない。ものを尋ねられれば、今でも「そもそも……」と蕩々(とうとう)と説き聞かせるだろうと笑う。「アフリカには、年寄りが1人死ぬのは図書館が一つなくなったのと同じ、ということわざがあるんだって。でも、若い人が何に興味あるのか分からないから黙ってる。年寄りはみんなそうでしょ」

 還暦を迎え、20歳の時に似た感慨を覚えた。「これでほんまの大人の仲間入りやとね」

=====以上、2002/04/05のAsahi.comより

「隠居の身ですから」って言ってみたいなぁ。あと仙人にもなってみたく思ったりして、、、、

生き方あらためようなんて思ったりしても、ふと気づくと、いつものパターンにハマって生活しているようなきがしないでもない。