安定した生活

貧困層よ「勤労せよ」「結婚せよ」 米大統領が促す

 ブッシュ米大統領はこのほど、母子家庭など社会保障受給者の条件をより厳しくし、貧困層に勤労と結婚を促す計画を明らかにした。州ごとの全受給者数のうち50%は働いていなければいけないと定めている現行の比率を毎年5%ずつ上げて、07年度に70%にする。受給者に求められる労働・訓練時間を現在の週30時間から40時間に増やす。子どもを持つ未婚の男女に結婚を勧めるカウンセリングなどに3億ドルをあてる。大統領の掲げる「思いやりのある保守主義」を肉づける内容だ。

 米国の社会保障は、クリントン政権時代の96年に根本的に改正され、手厚い社会保障が福祉への依存を生むという反省から、受給者に勤労など一定の条件を課した。今回のブッシュ大統領の提案は、この方向に沿ってハードルを高くするもの。

 ブッシュ大統領は先月26日、ワシントン市内の貧困地区の教会で新提案を発表。大半が黒人の聴衆に向かって、「人は働くことによって独立し、自らを尊敬することができる」「安定した家庭が福祉政策の主要目標であるべきだ」などと説いた。

 96年に実現した社会保障制度の法改正は今年、更新時期を迎える。大統領提案は議会に対して、さらに踏み込む改正を求めるものだ。米国では、社会保障の受給者が、94年の510万人から、昨年は210万人へと半分以上減った。背景には、米国の好景気があると言われる。いま景気が後退する中で、教育や経験が乏しい貧困層が、大統領が考えているように職を得られるものかどうか、専門家の間では疑問も出ている。

=====以上、2002/03/02のAsahi.comより

日本語で、「人は働くことによって独立し、自らを尊敬することができる」と書くと、なんだか大げさな感じがする。確かに自尊心という単語はあるのだけれど、昼休みに事務所に来る保険屋のおばちゃんが、「職があるだけありがたいわよぉ」と言う。完全失業率とかいうのは5%だっけか。20人に一人くらいは職がないわけだ。

自尊心とか自信とかいうのは、どこからくるのだろうか。
「安定した家庭が福祉政策の主要目標であるべきだ」子供がいる人は、結婚した方が、法的にも保護されていいのではないか。いや、逆に、では、未婚の親子はちゃんと保護されないのか?つまり、結婚は約束事だから約束をちゃんとしないと法律が成立しないということだろう。