猿知恵な原人

「秩父原人」は幻に 遺跡自体がねつ造と断定

東北旧石器文化研究所の藤村新一・元副理事長の遺跡発掘ねつ造問題で、
埼玉県教育委員会の検討委員会は11日、約50万年前の「秩父原人」の
存在を完全に否定した。同原人の生活遺構とされた同県秩父市の小鹿坂
遺跡など、藤村元副理事長が発掘にかかわった同市内の7遺跡と2カ所の
調査地について「遺跡自体がねつ造だった」と断定したためだ。県教委は
遺跡の登録取り消しを検討する。

…略…

出土した石器の分析でも、石質が宮城県の座散乱木(ざざらぎ)、上高森
遺跡などで見つかった石器や、藤村元副理事長の石器コレクションと酷似
していた。風化した形跡がないうえ、表面に新しい傷が見られるなど、
ほとんどの石器に不自然な点が確認されたという。

小鹿坂遺跡では昨年2月、北京原人とほぼ同時代の50万年前の石器と、
建造物の柱の穴とみられる痕跡が見つかった、と藤村元副理事長が発表。
このため、その時代に日本にも人がいたとして「秩父原人」が注目を浴びた。

検討委がねつ造と断定した遺跡は、ほかに長尾根、長尾根北、長尾根南、
並木下、十三仏、桧木入。石器が発掘面に沿って1列に並んでいるなど
不自然な出土状況もあったという。

これらのうち長尾根南遺跡については、藤村元副理事長は、ねつ造を告白して
いないが、検討委は「事実と受け取れない」と説明した。今後各地でさらに
再調査が進めば、告白されていない遺跡でも、ねつ造が発覚する可能性が出てきた。

委員長の小林達雄・国学院大教授は「全石器が前期旧石器時代のものではないと
判断され、遺構として確認されたものもなかった。信頼を裏切る結果となったこと
は残念だが、科学的な検証によりねつ造を確認できた」と話した。

=====以上、2001/10/11のAsahi.comより

大昔のことを推測するのは、真面目にやっても事実とはことなるものである。
しかし、なぜ、捏造までして、遺跡を発見したことにしたかったのであろうか。

50万年の歴史を、全部おさらいしようとしたら、50万年かかるわけで、
そんなこと、自分の一生は、一度で限られているから、トピックだけ調べて
わかった気になるのだろう。トピックがないもんだからつい、作りたかった
のかもしれない。

猿には失礼だが、猿知恵で、原人を作り出すホモ・サピエンスである