科学の子

鉄腕アトムは電気羊の夢を見るか

鉄腕アトムは電気羊の夢を見るか

この本はアトムの誕生日と言われる2003年4月7日を前に書かれた本である。持ってる本は初版で2003/3/15初版とある。なんで今頃読んでるかって言うと、部屋を片付けていて発掘されたからである。作者の布施先生は、以前、養老先生のところで助手をしていた芸大出身の人で、私より10歳年上である。
私自身は、アトムのアニメの原体験はない。人型で等身大サイズとなると、ロボット刑事Kとか、キカイダーとか、手塚さんより石ノ森さん寄りか。Kは横山さんでしたっけ。でも、マンガ体験としては、手塚さん寄りである。
そんな私でも、子供の頃は、21世紀は遠い輝かしい未来のように思ってた節があるが、実際の21世紀のぼくは、なんだか日常を過す困った人である。だけど、思い起こせば、ずいぶん、世界も自分も変わったもんだと思う。
かつて、テレビというのは、ロボットのようなものだったと言う。そして、やがてテレビは日常になり、今ではブラウン管がレトロ技術と化す日も近いという気もする。みんなが携帯電話を持って、電波系の人になっている。
人型ロボットは、まだ十万馬力ではないかもしれないが、機械ってことでいうと、それくらい達成してるのじゃないか。アシモもキュリオも頑張ってるしね。じゃぁ、機械に心は宿るのか。心なんて不確かで、別段、高級な(高級かもしれないが、正しいとは限らない)機能を人と機械の最後の境界にするのは、つまらないかもしれないなと私は思う。
作者が言うように、描いた未来が現実になった時、アトムの誕生日は命日になるのかもしれない。