リアル路線

「ファイナルファンタジー」公開中 CGまるで実写

すべて3次元のコンピューターグラフィックス(CG)で作られたSF映画
「ファイナルファンタジー」(FF)が公開中だ。監督は同名の人気テレビ
ゲームを世に送った坂口博信。日米を中心としたクリエーターを、ハワイの
スタジオに集め、実写と見まがうほどの映像を生み出している。

…略…

全編3次元CGの映画としては、過去に「トイ・ストーリー」がある。
こちらの主人公はおもちゃの人形たちだ。一方、FFは人間のドラマ。
身体の動きや顔の表情を違和感なく見せるためには格段のつくり込みが必要で、
目やしわなどには特別に調整されたソフトが使われた。

例えば、アキと恋人、グレイのキスシーン。「口元などは細かい立方体を何層
にも組み合わせています。ある部分を少しいじっただけで、ほかの部分の微妙な
修正が必要になる。精密機器の製造や工芸品に通じる細かい作業は、日本人に
向いているのかもしれません」と坂口はいう。

日本人監督として過去最大規模という2500館以上で公開された米国では、
様々な反応がでた。

トム・ハンクスが「俳優の権利を脅かすもの」とコメントをしたり、CG映画と
知らずにきて戸惑った年配の客がいたり。しかし、坂口によれば、日本製CGの
ショーケースとしてこの映画を作ったわけではない。「あくまでも物語をつむぐ
ための道具なんです」

…略…

「ゲーム/映画、実写/CGといった分類は意味がない。いまのハリウッドの
システムでは、世界中に眠っている、いい物語をすくいとれない。そうした状況を
技術で突破したかった。またゲームに戻りますが、とりあえずの一歩を踏み出せた
と思います」

=====以上、2001/09/18のAsahi.comより

もともと、FFはロールプレイングというより映画鑑賞的になる傾向が
高いと聞いたことがある。

職人的な仕事とは言えるかもしれないけど、果たして、日本人向けな作業か?
というと、ちょっと大雑把な捉え方な気もしないでもない。

たしかに、CG俳優は、自らの意思で行動することはないのだろうし、
人の俳優よりは、監督に従順であるかもしれない。

しかし、まぁ、ここまで来たか。と思うと同時に、
そこまで手間をかけるのよりは、まだリアルなリアルを自分は生きてるので
あるなぁ。と思う。